「はらぺこベトベター ~ベトベターの満腹大作戦~」は、ゴミの分別やリサイクルに対する意識の向上を促し、街の美化に楽しく取り組むきっかけになればとの思いから、日本コカ・コーラ株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、弊社の有志社員が、おおよそ1年をかけて構想・制作したプロジェクトです。
使用済みの飲料容器をAIで識別するリサイクルボックス「はらぺこベトベター」は、昨今社会的な関心が高まっているプラスチックごみ問題を、楽しく解決することを目指しました。「はらぺこベトベター」の口の中に組み込まれたカメラが対象物を撮影し、日本アイ・ビー・エムのAI技術「IBM Watson」により回収した空容器の種類(ペットボトル・ビン・カン)を識別。ベトベターが鳴き声によってその結果をフィードバックします。また、認識した結果を蓄積し、Webサイトで可視化します。これらの仕組みによって、再生できるものとそれ以外のものをユーザーが正しく認識し、楽しく分別・リサイクルしてもらうことを目指しています。
さて、このユニークな取り組みのはじまりは、2018年にさかのぼります。ポケモンの新しい魅力発信を目的としたワークショップで、日本アイ・ビー・エムの有志社員が「IoTとAIのテクノロジーを活用して街をキレイにするベトベター」という企画を発案します。2019年7月には、この企画に賛同した日本コカ・コーラ社員が、米国本社が主催する社内ハッカソンに応募したことがきっかけで、3社有志の共同プロジェクトがスタートしました。2020年11月に初めて設置され、以降、各地への設置を検討しています。
飲料用PETボトルは、適切な状態で回収されれば、プラスチック資源として再利用が可能。一方課題となっているのが、リサイクルボックスへの異物混入です。一般社団法人全国清涼飲料連合会が2020年10月に公表した調査結果によれば、「街中でペットボトルや缶以外のゴミが出た場合、どこで捨てることが多いか」との問いに対し、「自販機の横にあるボックス」と答えた消費者が52.9%。市中の自販機に併設されているボックスが「飲料容器専用のリサイクルボックスであることを知らなかった」と回答した消費者が42.4%に上るなど、リサイクルボックスの役割と分別回収の重要性がまだ十分に認知されていないとの結果も出ています。本プロジェクトが、こうした現状を解決するきっかけのひとつになれば幸いです。