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大人の本気が子どもの夢になる「トヨタミライドンプロジェクト」

大人の本気が子どもの夢になる「トヨタミライドンプロジェクト」 2024.03.29

「夢は実現できる」「想像が未来をつくる」ことを子どもたちに伝えたい――。ポケモンのビデオゲームに登場する「ミライドン」を未来のモビリティとして現実世界に誕生させる「トヨタミライドンプロジェクト」は、子どもたちの夢を形にするために始まった、トヨタ技術会とポケモンによる共同プロジェクトです。

 

本プロジェクトの中心となった「トヨタ技術会」は、トヨタ自動車株式会社の技術者を中心に構成された社内の有志団体。「未来のモビリティ社会」の実現を目指しながら、これまで以上に「愛車」にこだわり続け、「もっといいクルマ」の開発を目指す、トヨタ自動車株式会社の理念に基づき、技術の研鑽をしています。

 

トヨタ技術会は毎年、地域社会への貢献を目的に豊田市との合同イベント「わくわくワールド」を開催。2023年度には「夢のミライモビリティ」をテーマに、愛知県の小学生にアンケートを実施したところ、8000ものアイデアが集まりました。そのなかでトヨタ技術会メンバーの目に止まったのが、ミライドンが描かれた1枚のアンケートシートでした。

ミライドンは、2022年に発売されたビデオゲーム『ポケットモンスター バイオレット』に登場する伝説のポケモンです。ゲームの主人公は、四足歩行するリミテッドモードや、二輪バイクのようなドライブモードで走るミライドンにまたがって、大地を駆け巡ります。

「友だちとコミュニケーションするように接しながら楽しく移動できるミライドンは、まさに子どもたちの夢を具現化した存在だと思ったんです」こう話すトヨタ技術会のメンバーの多くは、子どもの頃にポケモンで遊んだ世代。アンケートシートを見て、当時の興奮がよみがえってきたそうです。

 

「ミライドンを作りたい」そんな彼らの強い思いに私たちも共感しました。こうして両社はタッグを組み、大人の本気で子どもたちの夢を叶えるべく、「 TOYOTA Engineering society MIRAIDON(以下、トヨタミライドン)」をめぐる前例のない挑戦が始まりました。

ゲーム画面から飛び出してきたかのようなビジュアルをそのままに、モビリティとしても成立するトヨタミライドンをいかに作り上げるか。「わくわくワールド」まで半年という限られた時間の中、トヨタ自動車株式会社の協業各社への協力を仰ぎながら完成を目指しました。当初は30人程度だったプロジェクトメンバーは、本気でものづくりをする楽しさと熱意が周囲にどんどん伝播し、最終的には300人規模にまで拡大しました。

トヨタミライドンを構成するのは、骨組みやモーターを仕込んだ内部構造と外装です。ミライドンのフォルムを維持しながら、内部構造を成立させられるよう、技術者たちは細心の注意を払いました。例えば、四足歩行するリミテッドモードでミライドンの細い脚を再現すると、モーターや配線を仕込むスペースが限られてしまいます。人が乗って動かせるレベルにするために、どうやって動力を確保すればよいのか。ミライドンを現実世界に生み出すために、技術者たちは現場で試行錯誤を重ねていきました。

 

△リミテッドモード

 

リミテッドモードからドライブモードへの変形でも、大きな困難にぶつかりました。ドライブモードでは、ミライドンは細く長い尻尾を丸めて後輪に変えます。しかし、タイヤとしてはどうしても細くなり、人の重量に耐えられません。安全性を考えれば太く頑丈な尻尾にするしかないのですが、ミライドンらしいスマートなビジュアルもどうにか追求したい。折り合いをつけるために、トヨタ技術会と私たちは何度もすり合わせを行いました。

 

△ドライブモード

 

トヨタミライドンをいきいきと表現するために、特にこだわったのがボディの色です。単色で塗るだけでは無機質になってしまいます。そこで、パーツごとに調色し、ツヤにも変化をつけました。また、光の当たり方や背景で体色が変化して見えるゲームのように、トヨタミライドンも視点によって別の色に見える繊細な塗装を施しています。

どんな子どもが乗っても楽しめる乗り物にすることも、こだわったポイントのひとつです。一般的な車のように足元にアクセルやブレーキをつけても、小さな子どもは足が届きません。シンプルでわかりやすく操作でき、かつ遊び心のある方法で運転するにはどうしたらよいのか。その最適解として選ばれたのがNintendo Switchのコントローラーでした。これなら、遊び慣れたゲーム機と同じ感覚でミライドンを動かすことができます。また、子どもたちが怪我をしないよう、パーツの造形やスピードの調整など、安全性にも配慮しました。

「トヨタミライドン」の初披露は、2023年11月に豊田市で開かれた「わくわくワールド」でした。その後もさらにブラッシュアップを続け、2024年3月には東京ミッドタウン日比谷で展示試乗会を実施。体長約4メートル、高さ約2メートルとほぼ実寸大の迫力あるトヨタミライドンを前に、子どもだけでなく大人たちからも大きな歓声が巻き起こりました。

初期からプロジェクトに携わった株式会社ポケモンのメンバーは、トヨタミライドンを現実に生み出せたことに喜びを感じたと振り返ります。「子どもたちはもちろん、技術を持った大人たちも刺激を受けるプロジェクトだったと思います。夢を夢で終わらせない、大人の本気や熱い想いが子どもたちに伝わっていくとうれしいですね」と目を輝かせながら話してくれました。

プロジェクト始動から1年足らずを振り返り、特に印象的だったのは現場でトヨタミライドンを製作した技術者たちの表情でした。それは、トヨタミライドンを見た子どもたちの喜びや驚きに満ち溢れた表情と同じだったのです。大人になっても想像が未来をつくることを信じて、夢を夢で終わらせない技術を持った大人がいるということを教えてくれました。

 

■ポケモン公式YouTubeチャンネル
 「トヨタミライドンプロジェクト」始動!
  ▷動画はこちら

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