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被災地のこどもたちに届ける「ピカチュウかぶと」

被災地のこどもたちに届ける「ピカチュウかぶと」 2024.05.22

石川県内に本社のある日刊紙・北國(ほっこく)新聞の中面に、鮮やかなピカチュウカラーの広告が登場しました。ハサミマークどおりに紙面を切り取って折ると、被って遊べる「ピカチュウかぶと」が完成します。これは、今年1月の令和6年能登半島地震によって甚大な被害を受けた地域のこどもたちに「ポケモンの力で笑顔を届けたい」という想いを込めて、ポケモン・ウィズ・ユー財団が「こどもの日」に合わせて取り組みました。

 

ピカチュウかぶと広告

 

ポケモン・ウィズ・ユーとは、東日本大震災直後にポケモン社員の有志が始めた活動です。10年以上にわたって被災地への継続的な支援を行ってきました。さらに活動の範囲を広げるため、2021年に財団として独立。ポケモンを通じた防災啓発や災害支援、こども食堂への支援や環境保全など、さまざまな取り組みを行っています。

初めて「ピカチュウかぶと」を提供したのは、東日本大震災翌々月の「こどもの日」。さらに、2016年の熊本地震直後にも地域のこどもたちに配布し、今回の能登半島地震時で3回目となりました。

 

紙面に印刷された「ピカチュウかぶと」は、ポケモン・ウィズ・ユー財団と株式会社ポケモンのデザイナーがタッグを組み、制作を進めました。「ピカチュウかぶと」の裏面には、長年親しまれてきた『ポケットモンスター 赤・緑』から、ビデオゲーム最新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』まで、たくさんのポケモンが勢揃いしています。これほど多くのポケモンを1枚の紙面にギュッと並べるには、サイズ調整や確認作業にも時間を要します。それでもデザイナーたちは「こどもたちに、自分の大好きなポケモンを一匹でも多く見つけて喜んでもらいたい」と、何度も調整を繰り返しながら、できる限りのポケモンを紙面にレイアウトしました。

 

こうして描かれたポケモンは、総勢719匹。この中からモンスターボールやピカチュウを探すなど、遊びの要素が盛り込まれました。ポケモン・ウィズ・ユー財団の担当者は、「お気に入りのポケモンがどこにいるのか、家族や友達同士で楽しくコミュニケーションしながら見つけてもらえたら」と、こどもたちにメッセージを送ります。

 

ピカチュウかぶと広告の裏面

 

震災後も地元で家族と一緒に暮らすこどもたち。より多くのこどもたちに「ピカチュウかぶと」で笑顔になってもらいたいと考え、石川県で広範囲に配達されている北國新聞の力を借りることにしました。こうして、2024年5月5日付けの北國新聞に折り込まれたピカチュウかぶとが、多くの家庭に届けられました。

 

同日に行われた「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」が主催する「応援しよう能登!つながろうこども食堂!こどもの日イベント2024」でも、ピカチュウかぶとが配布されました。会場となった石川県輪島市の正覚寺には、約400人が来場。こどもたちは早速ピカチュウかぶとを手に取り、ピカチュウとの交流や、食事、ゲーム大会などを体験しました。

 

現場を訪れた担当者は、当日の様子を次のように振り返ります。「ピカチュウかぶとをつくったり、ピカチュウと触れ合ったりしているこどもたちの笑顔が印象に残っています。イベント会場の周辺は未だ復旧が進んでおらず、日常を取り戻すには時間がかかることを感じました。このひと時だけでも、こどもたちの笑顔によって、保護者の皆さまの気持ちも和らいでいたら嬉しいです」

 

石川県輪島市、正覚寺でのイベントの様子

 

ポケモン・ウィズ・ユー財団は、「ピカチュウかぶと」以外にも多くの災害支援活動を実施しています。しかし、その活動は迷いの連続でした。そもそも、震災直後は衣食住など生活インフラの復旧が最優先です。特に今回の能登半島地震のように、交通網の復旧に時間がかかる場合はなおさらでした。そんな状況で、ポケモンにできることは何なのか。行政とも慎重に協議を重ねながら、手探りで支援活動を続けました。

 

能登半島地震発生後、真っ先に行ったのが、「ポケモンといつもいっしょ~せいかつおうえんブック~」の配布です。被災地でのこどもたちに、見守る誰かがいることを伝え、可能な限り規則正しい生活や、頭の体操やストレッチなどのリフレッシュを促す内容を盛り込んでいます。この冊子は、防災啓発活動の一環として2023年12月に制作されたばかり。被災地で一人でも多くのこどもたちの手に届くよう、能登半島地震が起きてすぐ、急いで増刷をかけました。

 

「ポケモンといつもいっしょ~せいかつおうえんブック~」

 

インフラの復旧が進み始めるなか、被災地では少しずつ娯楽やレクリエーションを求める声が増えてきました。そこで、被災地の幼稚園・小学校訪問と合わせて実施されたのが、NHK交響楽団主催の演奏会です。定番のクラシック曲からポケモンの曲まで幅広いジャンルの音楽が演奏されると、こどもたちはもちろん、さまざまな世代の方々が静かに耳を傾けました。

「被災地の方々にとって、生活必需品はもちろん大切ですが、心のケアも必要だと思っています。ピカチュウが訪問した保育園や小学校では、こどもたちの表情が明るくなったと感想を聞かせてくれる先生も多く、あらためてポケモンの役割とは何かを実感しました」と担当者は被災地での活動を振り返ります。


「こどもたちの未来を明るくしたい」という想いで活動を続けるポケモン・ウィズ・ユー財団。東日本大震災の支援と同様、能登半島でも中長期的に支援を継続していくことが決まっています。ポケモンが「いつも一緒」にいる存在であり続けることで、一人でも多くのこどもたちが笑顔になってくれることを願っています。

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