「一緒に食べるとおいしいよ!」
「こども食堂」の運営やサポートをする方々が掲げるこの言葉に共感し、ポケモンは2021年からその活動に協力しています。
こどもたちのために温かい食事を提供するこども食堂。その支援を担当するのは、2021年に設立された、ポケモン・ウィズ・ユー財団です。この財団は、株式会社ポケモンの有志社員による東日本大震災の被災地支援からスタートした組織を前身とし、設立されました。震災から10年が経った節目の年、さらなる活動の拡大を検討していたときに浮かんだのが、こども食堂の存在でした。
ポケモンだからこそできることは何か? 担当者はまず、こども食堂を運営する団体への聞き取りや現地視察を重ねることから始めました。
「こども食堂は、貧困などの事情がある子どもたちに、ただ食事を提供するだけの場所というイメージを持たれがちです。しかし実際に足を運んでみると、会話を楽しんだり、いっしょに遊んだり、宿題をしたり……。子どもたちの『居場所』として機能していることに気付かされました」
ポケモンが関わることで、子どもたちの団らんの場に花を添える「居場所づくり」のお手伝いをしていきたい。そして、こども食堂に対する「ちょっと足を運びづらい」というイメージを払拭したい。この2つの目標を両輪に、「ポケモン こども食堂応援隊!」の活動を開始しました。
物資支援では、各地のこども食堂が抱える課題に寄り添った支援品を企画・制作して全国に発送しています。特に力を入れているのが、季節のイベントに合わせたアイテムの提供です。
たとえば、クリスマスシーズンにはポケモンがあしらわれたクリスマスツリー型のペーパークラフトを提供しました。食事を終えた後にみんなで作ったり、持ち帰って家族と一緒に楽しんだりすることで、クリスマスの思い出づくりに役立ててもらえればと考えたのです。
「こども食堂を訪れる子どもたちの中には、クリスマスの団らんを知らない子もいます。こども食堂を運営する方々からは『少しでもクリスマスの楽しさを感じさせてあげたい』という想いを伺っていたので、こういった企画を考案しました」
さらに、子どもとボランティアさんが親密な関係性を構築できるようにと、食堂を支えるスタッフへの物資も提供しています。
その一つが、ポケモンのイラストが入ったピカチュウカラーのエプロンです。実際に着用された方々からは「ポケモンの存在が、私たちのモチベーションになっています」という、嬉しい声も届きました。
ピカチュウのこども食堂訪問活動にも力を入れています。訪問先では、ピカチュウとのふれあいに加え、エコバッグ作りなどのアクティビティも行っています。
「ピカチュウの訪問によって、多くの人たちがこども食堂に興味を持ってくれたらうれしいし、『誰でも足を運べる場所』だと知るきっかけづくりができればと思っています」と担当者。実際に、はじめは「ピカチュウが来るから」という理由で足を運んだ親子が、その後も継続して通うようになることもあるそうです。
このような取り組みを重ね、今年で5年目を迎えるこども食堂の応援活動。その反響は、他企業にも広がっています。
「私たちの活動に興味を持った他社の人たちから『自分たちにも、なにかできることはないか?』と相談を持ちかけられることが増えてきました。こども食堂に対して、物資の提供以外の方法でも貢献できることを知っていただけたようです。これからもさまざまな支援の形が生まれていくといいですよね」と担当者はほほえみます。
こども食堂での取り組みを通して、笑顔と支援の輪をどんどん広げていきたい。そんな想いを込めながら、ポケモン・ウィズ・ユー財団はこれからも応援活動を続けていきます。