
1. 交通事故に遭う子どもを減らしたい
新小学1年生の子どもたちが身につけているのは、真新しいランドセルと、ピカチュウがデザインされた特別な「黄色いワッペン」です。
この「黄色い“ピカチュウ”ワッペン」は、今年で60周年を迎える「黄色いワッペン」贈呈事業を記念してつくられたもの。全国100万人以上の新小学1年生たちに配られました。
「黄色いワッペン」贈呈事業は、株式会社みずほフィナンシャルグループ(以下みずほFG)、損害保険ジャパン株式会社(以下損保ジャパン)、明治安田生命保険相互会社、第一生命保険株式会社の4社共同の取り組みです。ワッペンには、ドライバーや地域住民への注意喚起だけでなく、もしものときのために交通事故傷害保険が付帯しています。

事業が始まった1965年当時、国内の交通事故死亡者数は年間1万人超。そんなある日、当時の富士銀行(現・みずほFG)社員が新聞で、交通事故で子どもを亡くした一人の母親が内閣総理大臣に交通事故撲滅を訴える手紙を送った記事を見かけました。
「何か目立つものを身につけてもらえれば、小さな子どもたちを交通事故から守れるのではないか」。このように1つのニュースがきっかけとなり、金融機関と保険会社による「黄色いワッペン」贈呈事業が生まれました。
2. ワッペンと同じ、黄色いポケモン
長期にわたる取り組みで、「黄色いワッペン」贈呈事業は2つの課題に直面しています。1つは、交通事故の全体的な件数は年々減ってきたものの、新小学1年生が事故に遭う割合がいまだに高いこと。もう1つは、「黄色いワッペン」そのものの認知度は高いのに、付帯する保険の存在を知らない人が多いことです。
こうした現状を打破するにはどうすれば良いのか、各社が頭を悩ませるなか、「黄色い“ピカチュウ”ワッペン」プロジェクトが立ち上がったきっかけは、損保ジャパン社員の何気ない一言でした。
「贈呈事業の60周年を前に、認知拡大に寄与する新しい取り組みができないかと考えていたところ、ある社員が『ワッペンと同じ黄色のピカチュウとなら、何かできるのでは?』というアイデアを出したのです」(贈呈事業担当者)
ピカチュウは、子どもからお年寄りまで、多くの人たちに知られているポケモンです。ピカチュウがワッペンについていたら、ご家庭や近所に住む人たちの間で話題になるかもしれない。そうすれば「黄色いワッペン」自体の認知度も上がり、地域全体で、交通事故防止に対する意識が向上するのではないか。
贈呈事業のメンバーたちは、さっそく株式会社ポケモンに提案を持ちかけました。
3. 「黄色いワッペン」に込められた想い
株式会社ポケモンで本件を担当したのは、子どもとポケモンの接点を創出する「My First Pokémon プロジェクト」に携わる社員。自分の子どもたちが「黄色いワッペン」をつけていたことも記憶に新しい、現役の子育て世代です。
「今回の提案でこの事業が立ち上がったきっかけを知り、子どもたちを守りたいという想いに感銘を受けました。ただ私自身、付帯保険についてはよく知らなかったのです。だからこそ、ピカチュウとのコラボをきっかけに、黄色いワッペンに再びスポットライトが当たればと、この提案を引き受けることにしました」
こうして動き出した「黄色い“ピカチュウ”ワッペン」プロジェクト。伝統的なデザインにピカチュウのシルエットが加わった新しい「黄色いワッペン」が誕生しました。ワッペンを入れる封筒にもピカチュウを印刷し、子どもたちが手にした瞬間から幸せな気持ちになれるよう工夫しています。

4. “ピカチュウ”が子どもたちのお守りに
そして迎えた新年度。黄色い“ピカチュウ”ワッペンを身につけ、小学校に通う新1年生の姿が各地で見られるようになりました。
小学1年生の子どもを持つ保護者からは、「子どもがピカチュウのワッペンを喜んでつけている」「ピカチュウと一緒に学校に行けると張り切っている」といったうれしい声が届いています。

2024年3月、東京で開催された「黄色いワッペン」贈呈式には、ピカチュウがサプライズで駆けつけました。新入学という大切な節目の思い出になったことでしょう。
「子どもたちを交通事故から守りたい」という大人たちの変わらぬ想いが、黄色いワッペン贈呈事業を支えてきました。黄色い“ピカチュウ”ワッペンが、これからも子どもたちの安全と笑顔を守る一助となることを願っています。