2025.03.14

中国一線都市を巡る ポケモンカードゲーム大会「マスターズ」

1. 中国にポケモンカードゲームの熱狂を

中国の一線都市を舞台に、ポケモンファンが行き交い、カードゲームプレイヤーの熱い戦いが繰り広げられる全国大会「マスターズ」。本大会の企画と運営を担う株式会社ポケモンのグループ会社・Pokémon Shanghai(ポケモン上海)は、2020年の設立以降、中国のユーザーやパートナー企業と密にコミュニケーションし、ポケモンを広めるため活動しています。

ポケモンカードゲームの簡体字版が発売されたのは2022年です。すでにアニメの配信やライセンス商品の販売をしていたため、発売直後から多くの人々に受け入れてもらうことができました。

当初は中国各地のカードショップなどで、小規模な公式カードゲームを開催していました。その後、各会場の熱気あふれる様子を見た担当者たちは「プレイヤーたちはもっと大きな大会を待ち望んでいるのでは」と感じ、全国大会の創設に向けたプロジェクトを立ち上げます。

2. 各開催地の特色を活かした演出

全国大会開催までの道のりは平坦ではありませんでした。それまでトレーディングカード文化があまり根付いていなかった中国では、大規模なカードゲーム大会の運営ノウハウがなかったのです。プロジェクトチームは、各開催都市などと綿密な調整を重ねながら、手探りで大会をつくり上げていきました。

「街を挙げてのカードゲーム大会が地域の活性化につながることを示すため、関連の政府の部門と面会し、文化や観光の視点からイベントの意義を丁寧に説明しました」(担当者)

細やかな議論と調整の末、ついに念願の「マスターズ」開催が決定。広い国土と多大な人口を有する中国で、多くの人に参加してもらうため、広州、北京、深圳、上海の4つの都市を巡ることになりました

「マスターズ」では、開催地の特色を活かした演出を行っています。万里の長城をはじめ数々の文化遺産を有する北京では、伝統的な建築物をモチーフにした会場デザインを採用し、中国の伝統芸能・京劇を用いた開幕式を実施。ハイテク産業で知られる深圳では、会場全体にサイバー感あふれる演出を取り入れています。優勝者が手にするトロフィーも、それぞれの都市をイメージしたデザインにしました。

また、中国のマスターズは独自の大会ルールを策定しています。特徴的なルールの1つが、最大6人で戦うチーム戦。「チーム内には経験豊富なプレイヤーもいれば初心者もいて、お互いに教え合いながら成長していけるはず」と、運営チームはその意図を説明します。

3. つい足を運びたくなる、街ぐるみのポケカ大会に

カードゲームプレイヤーでない人にもポケモンとの触れ合いを体験してもらうため、各開催都市は街全体を巻き込んだ世界観を醸成しています。

たとえば、大会の2~3週間前からさまざまな場所でポケモンと出会えるプレイベント。深圳では高さ約10メートルの巨大なカビゴンのバルーンを市内の公園に設置したほか、上海では街の主要道路をピカチュウが練り歩くイベント「ピカチュウ大量発生チュウ」を実施しました。

大会当日は「カーニバル」と呼ばれるアトラクションも用意しています。スタンプラリーや展示イベント、バスケットボールのシュートゲームなど、誰でも存分にポケモンの世界を体感できるよう工夫しました。なかには、都市ごとに異なるイベントを目的に「マスターズ」を巡るファンもいるようです

4. 新たなポケカファンが生まれる場へ

2023年3月に広州で開催された第1回大会の来場者数は約6000人。それから2年弱、2024年12月の深圳大会の来場者数は約2万5000人に上りました。

会場を訪れるプレイヤーの中には、親がオープンリーグに、子どもがジュニアリーグに出場するなど、親子で参加する姿も見られます。オンラインでの交流が当たり前になりつつある昨今、目の前の相手と対戦したり、仲間と切磋琢磨したりする「マスターズ」は、親世代からも好意的に受け止められているようです

担当者は「カードゲームプレイヤーが満足できる大会なのはもちろん、ポケモンに興味を持ちはじめた人たちがカードゲームに触れ、より深く魅力を知ってもらう場所であり続けたいと考えています」と今後の抱負を語ります。

ポケモンと出会える大切な場として、ポケモンコミュニティの輪が広がる場として――。「マスターズ」はその規模を拡大しながら、さらに進化していきます。

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