
1. ポケモングッズに触れられる機会を増やす
ぬいぐるみや雑貨などを取り扱うオフィシャルショップ「ポケモンセンター」。現在、国内では北海道から沖縄まで22店、海外では台北とシンガポールに出店し、連日ポケモンファンがお気に入りのグッズを探しに訪れています。
一方、「ポケモンは知っているけれど、お店に足を運ぶ機会がなかなかない……」という方も大勢います。より多くの人々にポケモンのグッズに触れられる機会をどうつくっていけばよいのだろうか。そんな課題に向けた取り組みとして、ポケモン公式の自販機事業がスタートしました。
現在、展開しているポケモンの自販機は2種類。1つはポケモンの公式グッズが買える「ポケモンスタンド」、もう1つはポケモンカードを販売する「ポケモンカードスタンド」です。
2. 無人販売で持ち帰る「ポケモンとの思い出」
まず開発を進めたのは「ポケモンスタンド」です。自販機でポケモンセンターのオリジナル商品を販売することで、気軽に手に取ってもらいたいと考えました。
ポケモンセンターが大切にしている理念は、「商品だけでなく、ポケモンの世界観を体験し、思い出を持ち帰ってもらうこと」。無人販売でもこの理念を反映するには、何をすればよいのか。ポケモンの担当者は、さまざまなアイデアを検討しました。
その一例として、ポケモンスタンドの前を通りかかると、ピカチュウがその人に声をかける機能を実装しています。「なんだろう?」と気になり、つい足を止めたくなるような演出をほどこしたのです。

購入した商品は、スタンド専用にデザインした紙袋に入れて持ち帰ることができます。ここでしか手に入らない特別なショッピングバッグとして、普段使いもしやすいようにつくりました。

何度もテストを重ねながら、設置場所を慎重に見極めました。その結果、現在は多くの人の目に留まる空港や高速道路のサービスエリア、ターミナル駅を中心に設置しています。
特に反響が大きかったのは空港です。海外からの渡航者が、自販機で思いがけずポケモンに出会えたことを喜び、グッズを手に取る姿が各所で見られるようになりました。

3. ポケモンカードが、日々をちょっぴり明るく
ポケモンスタンドに続いて登場したのが「ポケモンカードスタンド」です。この自販機は、ポケモンカードがランダムに5枚封入された「拡張パック」を中心に販売しています。
駅の構内を主な設置場所にした意図について、担当者はこう説明します。
「駅は通勤や通学で、さまざまな人が行き交う場所です。たとえば、誰かが少し落ち込んでいる日でも、駅でこの自販機を見つけ、欲しいカードを手に入れることができたら、気分が上がるかもしれない。ポケモンが人々の日常に寄り添う存在になったらいいなと考えました」

ポケモンカードスタンドで買える拡張パックは、2セットで330円(2024年12月現在)。買いやすい値段なのもあってか、通勤中のビジネスパーソンや通学中の学生が、日々のちょっとしたご褒美やお土産として購入しているようです。
また、小学生が電車通学の通りがかりにポケモンカードスタンドで新商品を見つけ、下校後に保護者と一緒に買いに来ることも。スタンドの存在が、地域の暮らしになじみつつあるのかもしれません。
4. 思いがけないリアルの出会いを大切に
ポケモンとの出会いの場を広げるために、ポケモンスタンドとポケモンカードスタンドの新しい設置場所を検討しています。今後さらにスタンド数を増やしていく計画について、担当者はポジティブな未来を描いています。
「今や、グッズなどの情報はスマートフォンやパソコンでいくらでも調べられます。そんな時代だからこそ、日々の生活の中で偶然ポケモングッズを目にする機会を増やしたいと考えました。それをきっかけにポケモンに興味を持ってもらったり、グッズを購入することで日常にちょっとした楽しみが生まれたりするなら、私たちとしてもうれしいですね」
自販機という形だからこそ生まれる、偶発的なポケモンたちとの出会い。この小さな出会いが人々の生活に彩りを添えることを願いながら、ポケモンスタンドとポケモンカードスタンドをこれからも展開していきます。