1. 子どもたちの日常に「ポケモン公園」を
子どもたちが元気よく遊ぶ声が響く地域の憩いの場、公園。株式会社ポケモンは、地方自治体と協力して、全国各地に「ポケモン公園」をつくっています。
「子どもたちが外に遊びに行く場所ってどこだろう?と考えた時、真っ先に思い浮かんだのが公園でした。ポケモンをテーマにした公園をつくれば、子どもたちの日常にポケモンが溶け込んで、一緒に思い出を作る場所にできると思ったんです」と担当者は経緯を話します。
2. ポケモンらしさと地域らしさを取り入れたデザインに
各地の公園は、 それぞれの地域の「推しポケモン*」をテーマにデザインをしています。 福島県の「ラッキー公園」には、幸せ(福)を運ぶポケモンのラッキーをテーマに、シンボリックな遊具を置いています。
*自治体と連携して地域の魅力を国内外に発信する取り組み「ポケモンローカルActs」で選ばれた、その地域の特徴に合ったポケモン
△たまごを抱えるラッキー(写真中央)は、福島県の推しポケモン
岩手県の「イシツブテ公園」では、両手を使って険しい崖を上るイシツブテの特徴を活かして、ボルダリングを楽しめる岩山の遊具をつくりました。
△左から、イシツブテ(岩手県の推しポケモン)、プテラ、イワーク。いずれも、いわタイプのポケモン
△裏にはボルダリング設備を設置
鳥取県の「サンド公園」では、砂場を好むポケモンのサンドと、砂丘が有名な地域性を表すため、砂場をはじめとした遊具を置いています。
△砂場が広がる鳥取県「サンド公園」
そのほか、桜の名所であれば遊具のカラーリングに桜色を採用したり、地元のシンボルを遊具で表現したりと、 市町村単位の「地域」にクローズアップした特徴を取り入れました。
3. 公園づくりには「安全性」も必須条件
公園づくりでは、安全性の確保が第一条件。ポケモンのデザインと安全性を両立させた遊具を実現するため、公園遊具の設計・製造を手掛ける株式会社コトブキと協力しながら遊具づくりを進めています。
ポケモンや地域の魅力を表現したい思いとの間で、遊具づくりは試行錯誤の連続でした。
ポケモンのなかには、キバやツメ、トゲなど、遊具として危険になりうるパーツを持つものも少なくありません。なるべくそのまま表現するのが理想でありつつも、 安全面を優先し、先端を丸めたり、ポージングを調整してパーツを隠したりなど工夫を重ねています。
△キバやツメが特徴的なポケモンのチゴラスは、尖った部分に丸みを持たせ、安全面に配慮したデザインに
「公共施設で、かつ子どもたちが日常的に遊ぶ公園をつくることには、大きな責任が発生します。公園でケガをして悲しい思い出になってしまったら、本末転倒ですから。まず何よりも、安心安全な場所にすることを第一に考えました」
4.「地図に載る仕事」ができた喜びを胸に
現在、ポケモン公園は福島県「ラッキー公園」4か所、香川県「ヤドン公園」1か所、鳥取県「サンド公園」1か所、岩手県「イシツブテ公園」2か所の計8か所。2025年7月には、三重県に「ミジュマル公園」が2か所オープン予定です。
△みずタイプのミジュマルをイメージし、流れる水のような曲線のすべりだいが特徴の複合遊具を設置する
「ポケモン公園がデジタルマップに登録されたのを見て 『地図に載る仕事ができた』と嬉しい気持ちでいっぱいになりました。実際に利用している地域の人々や子どもたちの笑顔を見ていると、まるで『小さな遊園地』のように楽しんでくれているようで、いつも喜びを感じています」
子どもたちの日常の中にポケモンが自然と溶け込む、ポケモン公園。私たちはこれからも、地域に愛される場所づくりを続けていきます。