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台湾独自の主題歌を 視聴者とポケモンをつなぐアニメのローカライズ

台湾独自の主題歌を 視聴者とポケモンをつなぐアニメのローカライズ 2025.08.20

1. ポケモンとの「はじめまして」の機会にもなるテレビアニメ作品

 

テレビ東京系で放送中のテレビアニメ「ポケットモンスター」は、これまでに190以上の国と地域で放送されています。

 

日本だけでなく、海外でも広く展開されている本作。アジアの各国と地域に届けることを目的に、ローカライズ業務の一部を株式会社ポケモンが担っています。

 

2. グローバルに届けるためのクリエーション

 

テレビアニメを手がける際、作品をグローバルに届けるために、制作段階から各地域の制作会社と協力しています。2023年4月から始まったシリーズでは、新しくリコとロイを主人公に迎えました。二人の冒険を描く際には、放送を予定する地域の文化や風習を考慮するなど、脚本から丁寧に検討を重ねています。

 

日本では当たり前の表現も、他の国では伝わりづらいケースも。作品の本質を損なわないよう注意しながら、その地域の方々になじみあるものに調整しています。

 

△現在放送中のテレビアニメで活躍するリコとロイ

 

意識しているのは、日本版の印象や得られる体験を大事にすること、そして視聴者が自然に感じる声や演技にすること。例えば、リコとロイの名前は、海外でも近い響きになるようにしています。

 

 

一方、キャスティングや演技指導は、日本語版に近づけることをゴールとしていません。二人のキャラクターを理解した上で、それぞれの国や地域の視聴者が納得できるよう、現地スタッフの意見を取り入れています。

 

株式会社ポケモンの社員は、一人ひとりがポケモンのプロデューサーです。そのため、吹き替え制作に携わる各担当者は、登場するポケモンや人物の魅力、シーンの雰囲気が自然に伝わるようローカライズを進めています。

 

3. 台湾の「ポケモンのうた」をつくる

 

ローカライズは、アニメの物語だけではありません。台湾では、2025年5月から始まったテレビアニメ「ポケットモンスター」の新章で、現地アーティストが主題歌を担当しました。

 

△台湾版のアニメタイトルは「寶可夢地平線」

 

1998年からアニメシリーズを放送している台湾では、これまで日本と同じオープニングテーマを流していました。担当者は、オリジナル主題歌への切り替えをこう振り返ります。

 

「日本では、“ポケモンといえばこれ!”と広く知られている曲がありますよね。だから、 台湾でも現地の人々に愛されるポケモンの代表曲をつくりたい。そんな思いがずっとあったのです

 

新しいオープニングテーマは、シンガーの林宥嘉(リン・ヨウジャ)さんに制作を依頼しました。お子さんと一緒に「大のポケモンファン」を公言する台湾の人気アーティストです。

 

△林宥嘉(リン・ヨウジャ)さん

 

ポケモンの世界観を深く理解してくれていた林さんによって、前向きで明るい主題歌「捉夢大師」が完成しました。

 

アニメーションのベースは日本と同じですが、新たな楽曲にぴったりとマッチするよう、歌詞に合わせて映像を差し替えたり、クレジット表示のタイミングを変更したりと、細かな調整を重ねています。

 

こうして、台湾オリジナルの主題歌が生まれたのです。

 

4. ローカライズを通じて、日本版と変わらない感動を

 

そして迎えた新主題歌お披露目の放送回。台湾の視聴者からは、「ポケモンのアニメに台湾アーティストの楽曲が使われるなんて!」といった驚きと喜びの声が上がりました。

 

△台湾版のオープニング映像

 

ローカライズのこだわりについて、担当者は笑顔を浮かべながら、このように語ります。

 

ポケモンは日本生まれですが、誰にとっても身近な存在になってほしいと願っています。だからこそ、日本版でもローカライズ版でも変わらない感動を届けられるよう、これからもそれぞれの国や地域と向き合っていきます」

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