INDEX
1. ポケモンの新たな魅力に光を当てるオリジナルグッズ
ポケモンオフィシャルショップ「ポケモンセンター」の店頭に並ぶ、多種多様なポケモンセンターオリジナルグッズ（以下、オリジナルグッズ）。これらの開発は、株式会社ポケモンの商品部が進めています。
全国のあらゆるショップで販売し、幅広い層にポケモンの魅力を届けるためのライセンス商品*とは異なり、 オリジナルグッズはポケモンセンターやポケモンストアをはじめとした、ファンが多く集まる当社の直営店で販売されるもの 。これまで商品化の機会が少なかったポケモンたちにスポットライトを当てたり、ファンが思わずニヤッとするようなニッチなコンセプトを設定したりと、さまざまな商品をラインアップしています。
*ライセンス商品：食品や文房具をはじめ、さまざまな企業と協業して開発する商品
商品企画担当者は、日頃からポケモンのゲームやアニメなどに触れ続け、常にポケモンの新たな魅力を引き出すためのヒントを探しています。
「ポケモンには、知られざる魅力がまだまだ多く眠っています。それを私たちの視点から深掘りして、ポケモンファンの方々に“こんな魅力があったのか！”といったワクワクを届け、もっとポケモンを好きになってもらう。それが、オリジナルグッズの担う大切な役割です」（商品企画担当者）
2. 個人の原体験から生まれた「はかいこうせん」
そうして生まれた企画のひとつが、2023年11月に発売した「はかいこうせん」です。はかいこうせんとは、ポケモンが繰り出す強力なわざのこと。そのわざひとつにフィーチャーして、アパレルグッズからフィギュアまでさまざまな商品を開発しました。
企画担当者は『ポケットモンスター 赤・緑』発売当時からのプレイヤーでした。自身の原体験が、この企画の出発点になったと話します。
「子どものころ、ゲームに出てくる“はかいこうせん”のエフェクトにかっこよさを感じていました。あの独特なビジュアルを現代のデザインに落とし込んで形にしたら、きっと面白いものができるはずだとひらめいたんです」
△『ポケットモンスター 赤・緑』内の「はかいこうせん」
これを具現化すべく、テクノやサイバーパンクの雰囲気を持つデザインを得意とするデザインプロダクションとタッグを組みました。ゲームボーイのレトロな画面の色味を再現しつつ、現代のファッションアイテムとしても成立するよう試行錯誤を重ねたのです。
その絶妙なバランスを追求した結果、デジタルな雰囲気の背景を合わせ、スタイリッシュでありながら、どこか懐かしさを感じさせるビジュアルが完成しました。
グッズに登場するポケモンの選定にも、ポケモンファンに向けたこだわりを散りばめています。そのひとつが、あばれうしポケモンのケンタロス。「わざマシン」というアイテムを使ってケンタロスに「はかいこうせん」を覚えさせるのは、ポケモンバトルを攻略するための知る人ぞ知るテクニックです。
「 『ポケットモンスター 赤・緑』をプレイしていた当時の感覚を味わえるような商品にしたかったんです。ポケモンファンなら、はかいこうせんのグッズにケンタロスが加わる意味を理解してくれるはず。気づいてくれたらうれしいなという想いを込めて選びました」（「はかいこうせん」企画担当）
3. ゲームの世界観を日常に落とし込む「OTENKI TEAM」
2025年6月に発売されたオリジナルグッズ「OTENKI TEAM」では、天気にまつわる「とくせい」や「わざ」を持つポケモンたちにフォーカスしたアイテムを開発しました。バトルの最中に天候を変化させたり、特定の天候で力を強めたりするポケモンといっしょに戦うプレイヤーから着想を得た企画です。
「ゲーム中での出来事を、いかに現実世界の商品で表現するかを重視した」と担当者は語ります。たとえば、Tシャツのプリントには、紫外線に当たると色が変わる特殊な加工を採用。これは、ポケモンバトル中に天気が晴れる「にほんばれ」でポケモンの能力が変化する様子を再現する試みでした。
「 仮想世界での体験と、現実にある商品がリンクした瞬間に生まれる驚きや共感が、グッズの価値を高めると考えています。多くのプレイヤーが経験したであろう、ゲーム内の“あるある”をコンセプトにすることで、面白さを感じてもらいたくて」（「OTENKI TEAM」企画担当）
4. ポケモンとファンの絆を深めるものでありたい
担当者の個人の原体験、そしてファンを喜ばせたいという純粋な想いから誕生したポケモンセンターのオリジナルグッズ。今後の展望について、企画担当者は「これからも、ポケモンの新しい一面を見せる企画にどんどん挑戦していきたい」と話します。
「 ポケモンセンターが、ファンの方々にとってポケモンの新しい発見と、出会い で溢れている”場所であってほしい。私たちがつくるグッズが、ポケモンとファンの絆を深める一助になれば、これほどうれしいことはありません」と、商品企画担当者たちは声を揃えました。
ポケモンの奥深さを見つけ、それをファンに届けるために――。私たちはこれからも、ユニークで新しいオリジナルグッズをつくり続けます。
